堀江:流行りの「FIRE」願望に垣間見る、貧しい仕事観
ひところ「FIRE」と呼ばれるライフスタイルが話題になった。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立と早期リタイア」を意味する。
(写真:徳間書店提供)
このFIREを実現するには「年間支出の25倍の資産」を築く必要があるらしい。そのお金をインデックス・ファンドなどで運用すると、だいたい4%の利回りが期待できる。同時に生活費をその利回り4%以内に抑えれば、運用の利益と出費がトントンになって資産は目減りしない。
つまり、できるだけ早く資産形成し、あとはその運用益だけで悠々自適の生活を送るというのがFIREだ。
僕はFIREについては違和感しかない。年間支出の25倍の資産を築くのは至難のワザだ。長い年月、修行僧のように節約して貯金に励まなくてはならない。
そこまでしてFIREをしたいのだろうか。つまり、そんなに仕事がつまらないのだろうか。いまの仕事が楽しければ、FIREなんて目指さないだろう。FIREのためにコツコツがんばっている人の多くは「とりあえずいまの仕事を早く辞めたい」と思っているのである。
早期リタイアして、それから自分のやりたいことを心ゆくまでやるのだ。あるいはそう考えている人もいるかもしれない。
でもいざそのタイミングになって、つまりいまから十何年も経ったあと、そのやりたいことは色あせずにいるだろうか? 怪しいものだ。それに実際にやってみたら意外とつまらなかったなんてこともありえる。長い年月、我慢に我慢を重ねてコツコツお金を貯めた先が「こんなはずじゃなかった」というのは辛すぎる。
本当にやりたいことがあるのならいますぐやればいい。本当にやりたいことならば、趣味であれ副業であれ、なんらかの形でいますぐやれる。
FIREなんか目指すな。つまらない仕事をしていても成果は出ない。つまらない仕事をえんえんと続けて資産を築くなんて馬鹿げている。過度の節約によるストレスもそうとうなものである。
お金は使わなければ意味がないのだ。人生は有限だ。リタイアするためにお金をかけてどうする? やりたいことにお金をかけろ。やりたいことがないなら、やりたいことを見つけるためにお金を使え。
人はつまらない仕事をするために生まれてきたのではない。辛い労働に耐えるために生まれてきたのでもない。幸せな生き方とは「早期リタイアなんて御免だ!」と言える生き方だ。
山崎:「FIRE」にひそむ重大な罠
私も堀江さんと同感だ。「FIRE」を目指す人を見ていると「いまの仕事がどれだけつまらないのか? それは大変だ!」と感じてしまう。
(写真:徳間書店提供)
多くの人がFIREにひそむ罠を見逃している。それは過度な節約によって、重大な機会損失を招く危険性があるのだ。ひと言で言うと、「人的資本への過小投資」の可能性だ。
たとえば、巷のFIRE本には「手取りの半分で暮らし、半分は投資に回す」というメソッドが紹介されている。「4%」を運用利回りと仮定すると、そうした生活で約18年経てば生活費の25倍の資産を築くことができ、FIREが達成できる計算だ。運用益で生活費がまかなえて、しかも資産が減らない状態だ。
しかし、計画どおりFIREの資金ができたころに、「稼げない人間」「つまらない人間」になっている可能性が大いにある。
仕事なくなるのは一緒だけども
庶民も成功したら同じ事言うと思うけど
具体的な数字をイメージしよう。手取り収入が年間500万円だと想定しよう。王道のメソッドでFIREを目指す人は手取りの半分、つまり250万円で生活する。手取りの半分で生活する自分を想像してほしいが、かなり慎ましい生活になるはずだ。
慎ましい暮らしをすることの喩えで「爪に火をともす」という言葉がある。FIREを目指すために、爪に火(FIRE)を灯すような生活をすると、人間としてつまらなく、そして小さくまとまってしまう危険性が大いにあるのではないか。
一方で、FIREなど考えず「手取りの2割」を運用している場合、自由に使えるお金は1年で400万円となる。第1章で触れたように、「2割」はサラリーマンの場合、概ね老後の支出の辻褄が合う貯蓄水準だ。
お金は教育投資に使うべき
両者には年間150万円の支出の差が生まれる。この差額の150万円を自分の人的資本を上げる「能力・経験・時間・人間関係」に使うと、その人は「稼ぐ力」がより大きくなるだろうし、それだけでなく、より魅力的な人間になっている可能性が大きいのではないか。
教育投資に使えば、能力や知識が増えるだろう。美味しいものを食べたり、旅行に出かけたり、映画を観ることで知識は増える。人間関係も拡がるだろう。そして、経験や知識、人脈の差は、稼ぐ能力に大きな影響を与える。
しかも自分への投資は、早く行うほど回収期間が長くなるため、両者の差はさらに拡がっていく。お金は使うことに意義があり、手段として有効に使うべきだ。たとえば、美味しいものを食べることにだって意味がある。
かりにレストランで食事をするとして、ワインのリストから自分の気分に合うものを選べない、あるいはアラカルトメニューから注文できないような人といてもおもしろくない。
「オススメはなに?」「同じので」「おまかせで」というような人物と食事をしているといたたまれなくなる。そういうつまらない人と食事をしても楽しくないから、そんな人は人間関係も拡がらない。
堀江:悠々自適なんてボケ一直線だ
「FIRE」を達成したところで虚しいだけだ。悠々自適なんてボケ一直線である。かつて母親からこんな相談を持ちかけられたことがある。
「老後にマンション経営がしたいから、地元にマンションを建ててほしい」
「はあ?」僕は呆れた。
地元というのは福岡の田舎町である。そんな場所にマンションを建てたところで資産価値なんてない。投資のなかでは最悪の部類になる。なによりマズいのは老後にマンション経営をやろうというその発想だ。お金の心配をせず、老後くらいゆっくり過ごしたいというのが母の言い分だった。でもそんな暮らしをすればボケ一直線だ。
クソみたいなマンション投資は論外だし、母がボケてしまうのも嫌だ。だから僕はこう説得した。
「年金や蓄えが足りなくなったら俺が補填するから、頼むからマンション経営とか勘弁してくれ。そんなことよりボランティア活動をしてくれ」
不服そうだったが、それでなんとか納得してもらった。その後、母は年金をもらいながら、学童保育でボランティアをするようになった。いまや小学生たちから「堀江先生ーっ!」と慕われるほどになったという。かなりやりがいを感じているようだ。子供たちと触れ合うことでフレッシュな気持ちになれるとも言っていた。母がボケることはなさそうだ。なによりである。
これはある産業医から聞いた話だ。65歳以上の人のうち、社会的責任を負っている人と、さして負っていない人とでは、寿命が7~8年も変わるらしい。
たとえば、町内会長やマンションの管理組合の役員などをやっている人は年老いてからも元気で長生きする傾向があるのだという。彼らはややこしい人間関係と対峙しないといけない。でもそれが張り合いになる。適度な忙しさとストレスは健康維持に貢献するそうだ。
だからFIRE生活なんて目指すべきではない。日々、やりがいを感じて暮らしている僕の母のような人生を送ってほしい。
それって単に社会的責任を負う仕事じゃなければ自らの健康を省みるための金すらないってことじゃないのかな…
あと、ホリエモンみたいに経営者の才能があるやつなんて一握りだから
資本家にやりがい搾取されるくらいなら自らプチ資本家になって悠々自適に暮らしたいというのが個人的な考え
辞めたいなら今辞めろ
いやいや
スティービーワンダーは偉大だよ
曲を聞けば分かる
みたいな話は聞くな
馬鹿だよな
タモリもいいとも辞めて朝からビール飲む生活を満喫したけど一週間で飽きたって言ってたな
人間は労働して誰かのためになってる感が欲しくなる
みたいなこと言ってた
それにしてもホリエモンが直球のド正論とは・・・
仕事が生きがいとか楽しいとからか言ってる人は煽りじゃなく頭おかしい
金あるけど働いてるわ。
仕事が楽しいとかじゃなくて50歳を超えると体を動かしていないと体力がどんどん衰えていくのを感じる。
たぶん働かなくなったら体がすぐに衰えて寝たきりや杖をついて歩くようになると思うわ。
FIREじゃなくてゆるーく仕事するのがいいわ
仕事なくなると人間関係も自信もお金も消滅するしな
You’re firedかと思ってたわ
そら好きな奴はわざわざネットで好きだなんて言わないからな
汚泥にまみれて死ぬまで働けぇぁあ!
毎日寝てても生きていくだけなら可能だけど
人間のクズになるから、一応自営で仕事してる
大抵悲惨な生活
転職中に一月以上仕事待ちで何もしてなかったが、正直しんどかった。
なんか内職でもしてる方が楽。
農耕民族社畜適正◎の日本人にはやりがいってのは必要不可欠。
しかも若いときと違って鈍るじゃなくて限界値が低下する。
自称投資家で億単位の借金して不動産投資とかやってるバカ
講演会とかやってドヤッで信者みたいなやつに持ち上げられてて
釣りとゲームと天体観測して暮らすのが最適の選択と立証されたな。
トレーラーハウスなら安くつくしな
いくらでもやれることはあるやろ
ないなら暇つぶしに働いとけ
綺麗事ばっか言って儲かる話ばかりして金を取る
なんにもストレスなく責任もない中で、散財しても虚しいだけ。
【これマジ?】小学校のプールで顔をつける練習中に意識不明・・・ »
早期リタイア「FIRE」を目指して結局後悔する理由
FIREの資金ができた頃、「つまらない人間」に
2022/07/13 10:30
堀江 貴文 : 実業家 / 山崎 元 : 経済評論家
https://toyokeizai.net/articles/-/597664?page=4