ところが、CoCo壱はイメージとして「高すぎる」と思われている。ここに、理屈と実感の断絶がある。
CoCo壱番屋店舗外観
チェーン店なのに「高い」という印象を持たれてしまうのは痛いところだ(写真:筆者撮影)
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なぜ「高い」「損をしている」と思われてしまうのか
なぜ、CoCo壱は「なんとなく高い」と思われているのか。
先ほども述べたように、CoCo壱の価格は、単品で見ると極端に高いわけではない。近年では牛丼チェーンもカレーを提供することが増えているが、それらの値段は400~700円ほど。CoCo壱のカレーがこの範囲を外れているわけではない。むしろ「正当な値段設定」ともいえる。
ただ、ここでの落とし穴は、CoCo壱では「カスタマイズ」が当然のことになっているという点だ。
実際の注文の多くは、プレーンカレーだけでなく、それに、肉や揚げ物、野菜、それにチーズなどを足して行われる。トッピングの値段は90円のものから、果ては600円を超えるものまである。
CoCo壱のトッピングメニュー
CoCo壱のトッピングメニュー。最も高いものは600円以上する(画像:公式HPより)
結局プレーンカレーはあくまでも「プレーン」であって、それが満足できる商品になるためには、結局上乗せで数百円を支払わなければいけなくなる。しかも、CoCo壱のカレーにとって「トッピング」は、他店のカレーとの最も大きな「差別化」ポイントであり、欠かせないものである。
CoCo壱は確かに「最低限」では高くないのかもしれないが、「標準的に満足したい選択」をすると自然に高くなる。
重要なのは、消費者心理から見れば、CoCo壱でのトッピングは「贅沢したから高い」のではなく、「普通に満足しようとすると高い」という感覚を生み出してしまっているのではないか、ということ。要するに、「普通なのに割高」なのだ。
カレーとトッピングがよほどの「特別感」を生み出してくれるならば、ある程度の値段でも消費者は納得するだろう。しかし、そうではないところに、CoCo壱の問題がある。「なんとなく損をしている」気分になるのだ。
「選択」という名の労働が顧客満足度を下げる
もうひとつ、「なんとなく高い印象」を生み出しているのが「選択肢の多さ」だと思う。先ほどから述べている通り、CoCo壱のトッピングは店のウリで、あらかじめメニューをしっかり用意するのではなく、「客に選ばせる」設計の店になっている。トッピングだけでなく、ご飯の量や辛さなど、さまざまに選択肢が多いことがCoCo壱の価値のひとつである。
ただ、ここが難しいところで「選択肢の多さ」は弱みにもなりうる。
心理学者のバリー・シュワルツが「選択のパラドックス」と命名した現象はこれをよく表している。シュワルツの言ったことを私なりにまとめると「選択肢が多すぎると、決断に多くの時間と脳内での処理が必要になる。さらに、決断した後も『これでよかったのか』という後悔が残り、最終的に満足度がさがる」ということになる。客にとっては、「選択という名の労働」を強いられていることになり、満足度が下がる。
これはまさに、CoCo壱で我々が経験していることではないだろうか。
特に、CoCo壱はチェーン店でもあるから、客としては、なるべくめんどくさい手間を省いて楽に食べたいと思うだろう。本来、チェーン店は「考えなくていい」ことに価値があるはずなのだ。
にもかかわらず、すべての選択を自分でしなくてはいけないCoCo壱には、あまりいい印象が持たれないのではないか。それに、自分で選択した後、目にするのは、かなり高い値段。全体のイメージが下がるのも、納得なのである。
CoCo壱番屋店内
電子メニュー一覧から注文を決めるのにもひと苦労なのかも(写真:筆者撮影)
価格と満足度のバランスを見直す時期にきている
CoCo壱は、売り上げ・利益は、客単価の増加でなんとか補填できている状態だが、消費者心理から見ると、危険な状態に入りつつあるかもしれない。
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2026年2月期中間決算説明会資料では「(客足の)回復に向けた施策や新規顧客層にアプローチするための施策、QSCの向上に取り組んだものの、当中間期は前期比5.4%減となった」という。それだけ、顧客にとっては、CoCo壱自体を忌避する傾向が強まっているといえよう。それは、ここまで書いてきたような「なんとなく割高で、満足度が低い」感じを生み出してしまう、店自体のシステムにあるのかもしれない。
客単価の向上には限界があり、客足が減り続ければ、いずれは減益してしまう。その意味でも、やはりCoCo壱は「顧客にとってのCoCo壱の価値」を見直す時期に来ている。いわば、価格と納得度のバランスをよくよく考える必要がある。その際、「普通の満足で割高」「選択のパラドックス」といったことは重要な観点になってくるはずである。
そして、日本全体でインフレが進み、商品単価を上げざるをえない現在、この「価格と満足度のバランスをどう保つか」はすべての外食企業にとって取り組まざるをえない課題である。
家で作りにくい料理ほど高値をつけやすい
Xソース
しかもライターのみたい内容だけ切り出したもの
長文にしてもスカスカw
安いぞ
あんなもんに金は出せんわ
お新香みたいなのを山程盛ればいい
嫌なら行くながない
行きもしないやつらが気持ち悪い顔で叩くだけ
たいしてかわらんが
(商店街の定食と比較)
すかいらーく セントラルキッチンのくせに
CoCo壱 記事の通り
松や 牛丼並み以外くそたか
大戸屋 町の定食の1、5倍
オール外食の独り身向け
普通具くらいいるよね?って思っていくつかつけたら1000円台後半になって高ってなるけど
セルフうどんでも、OP次第で1500円くらいになる事有るし
カレーは安いという金銭感覚、と言うことが前提
不味いからやで
CoCo壱食うくらいならすき家のカレーでいいわ
俺の大好きなカレー曜日なんか240円くらいだったのもう400円くらいもする
CoCo壱は100円レトルトレベルだろ
味噌汁とご飯で1000円って言われると高いと感じるのと同じ
調理もご飯にルーかけてトッピング乗せるだけだろ
どこに金かかってんだろう
基本料金は60分10000円だけどオプション付けたら2万円超えるのと同じ
そうじゃなきゃわざわざネットで主張せんだろうし
ココイチは具無しのくせにポークカレーで676円だっけ?
ビーフカレーだと800円近く
ちょっと無理
餅が喉に詰まった場合の対処法wwwww »
https://toyokeizai.net/articles/-/925637
CoCo壱の価格設定に不満が出ている理由とは……(写真:ponta2012/PIXTA)
「CoCo壱、高い」というXの投稿が、ひそかに話題を呼んでいる。
ここ最近、CoCo壱(ココイチ)こと「カレーハウスCoCo壱番屋」の値段上昇はネット記事を中心に定期的に話題になる。そのたびに筆者が思うのは、問題は「CoCo壱が高いか安いか」ではないことだ。問題の核心は、「なぜ、CoCo壱を高く感じてしまうのか」ということにある。
そこで、消費者心理の観点からCoCo壱の値段について考えてみたい。
CoCo壱カレーに染み付いた「高い」というイメージ
話題を呼んだ投稿の趣旨は「CoCo壱のカツカレーにチーズをトッピングし、そこにツナサラダを付けただけで2000円を超える」というもの。合わせて、ランチタイムなのに店内には投稿主しかいなかったようで「客足が遠のくのも納得」というようなことも書かれている。
これに対しては「トッピングをするから高くなるのだ」という反論が一定数わいており、これは正論ではある。日本全体でインフレが進み、外食1回で1000円を越すのは日常茶飯事。CoCo壱のプレーンカレーは都心部で646円(税込・以下同)で、確かに取り立てて「高い」わけではない。その意味では、CoCo壱だけを「高くなった」というのも、かわいそうな話かもしれない。
一方、「ただのカツカレーにチーズをトッピングしただけ。しかもライスの量は減らしているから、実際に高い」という、投稿主を擁護するコメントもある。
そして、筆者が見ている限り、「CoCo壱は高くなった」という声は、他の飲食チェーンよりも多いようなのである。筆者も本媒体で何度かCoCo壱の値上げについて書いているが、それに対するコメントでは「高すぎる」という意見が圧倒的である。
なぜかCoCo壱は「高い」というイメージが染み付いているようだ。いったい、これはなぜか。
CoCo壱は「客単価を上げ、客数減少を補填している」
大前提として、CoCo壱の経営状況や値上げの状況について簡単にまとめておこう。
カレーハウスCoCo壱番屋を運営する壱番屋の2026年2月期中間決算によれば、CoCo壱の全店売上高は前年同期比で2.7%の増加。一方、客数はマイナス5.4%、客単価は8.1%の増加である。
簡単にいえば、「客単価を押し上げ、減った客数分を補填している」というのが現在のCoCo壱の姿だ。
実際、CoCo壱は2024年8月に値段の改定を行い、最もシンプルなメニューであるポークカレーは東京都・神奈川県・大阪府で591円から646円と55円の値上げ。その他の地域では570円から646円と76円の値上げになっている。これだけでなく、CoCo壱は2019年から短期スパンで断続的に値上げを行っている。
企業側としては「利益」が重要であり、本業での儲けを示す営業利益は前年比5.5%増加なので、取り立ててこの選択が「失敗」だったわけではない。冷静に見ると、CoCo壱の戦略はインフレ下における「正当な戦略」であり、それについてあーだこーだ言われる筋合いはない。経営判断として見れば、きわめて教科書的で、まっとうである。
