「彼らは自らを、社会という名の箱舟から『罪深い動物』を排除し、神の秩序を回復する者と位置づけていたのです」とフェルナンデス教授は分析する。「同性愛は、神が定めた男女の秩序を乱す『自然に反する罪』と見なされていました。その罪を『洗い流す』ために、彼らは洪水の後の『浄化のシンボル』である虹を掲げた。それは、現代の我々が持つポジティブなイメージとは真逆の、当時の価値観における絶対的な正義に基づく選択でした」
さらに、七つの色が「七つの大罪」を暗示していた可能性も指摘されている。虹を身につけることは、あらゆる罪を見つけ出し、裁く権威の表明でもあったのだ。こうして、本来は希望の象’徴であるはずの虹は、密告と恐怖、そして死を連想させる「裁きの印」として、当時の人々に認識されていたのである。
この歴史的発見のニュースは、瞬く間に世界中のメディアとSNSを駆け巡り、LGBTQ+コミュニティに巨大な衝撃をもたらした。コミュニティ内では、激しい議論が巻き起こっている。
「信じられない。私たちが誇りを持って掲げてきた旗が、かつて同胞を迫害した者たちのシンボルだったなんて。悲しくて、吐き気がする」
「これは歴史の皮肉だ。迫害の象徴を、我々が解放の象徴へと転換させたということ。むしろ、より力強い意味を持つのではないか?」
「象徴の意味は時代と共に変わる。1978年にギルバート・ベイカーがこの旗をデザインしたとき、彼は多様性と希望を込めた。13世紀の歴史とは断絶している。気にする必要はない」
「いや、見ぬふりをして使い続けることはできない。この歴史を知った以上、純粋な気持ちでこの旗を振ることは不可能だ。我々は新しいシンボルを見つけるべきだ」
意見は真っ二つに割れ、これまでレインボーフラッグの下で団結してきたコミュニティは、深刻な分断の危機に直面している。特に、長年にわたり活動を続けてきた年配の活動家たちの中には、「我々が血と涙で勝ち取ってきた象徴の意味を、700年も前の歴史ごときに奪われてたまるか」と、強い反発を示す者も少なくない。一方で、若い世代からは「過去の痛みを無視することはできない。私たちの象徴は、いかなる意味でもクリーンであるべきだ」という声が上がっており、世代間のギャップも浮き彫りになっている。
この問題について、専門家たちの見解もまた多様だ。
発見者であるフェルナンデス教授は、歴史家として中立的な立場を強調する。「歴史の事実は、時に現代の私たちに厳しい問いを投げかけます。重要なのは、この事実を隠蔽したり、無視したりするのではなく、それとどう向き合うかです。シンボルがいかに権力によってその意味を転換させられるか、その危険性を学ぶ貴重な機会と捉えるべきかもしれません」
一方、記号論を専門とするバルセロナ大学のカルロス・モレノ教授は、シンボルの流動性について言及する。「シンボルに固定された絶対的な意味など存在しません。その意味は、いつ、誰が、どのような文脈で使うかによって常に生成・変化します。ギルバート・ベイカーが創造したレインボーフラッグは、サンフランシスコのゲイ・コミュニティという文脈の中で『多様性と希望』という意味を獲得しました。13世紀の異端審問官による使用とは、歴史的にも、意図的にも全く連続性がありません」
しかし、モレノ教授はこうも付け加える。「ただし、一度『迫害の歴史』というネガティブな情報が広く知れ渡ってしまったシンボルが、以前と同じように純粋な希望の象徴として機能し続けることは極めて難しいでしょう。人々の心に生まれた『染み』は、簡単には消えないからです」
主催団体の代表、ハビエル・ロペス氏は、緊急の記者会見で次のように語った。
「我々はこの歴史的発見を、最大の深刻さをもって受け止めています。私たちのパレードやイベントで掲げられるシンボルは、参加するすべての人々にとって、安全で、誇り高く、そして何よりも祝福に満ちたものでなければなりません。レインボーフラッグが、かつて我々の祖先を苦しめた者たちの印であったという事実は、到底看過できるものではありません」
ロペス氏は、コミュニティ内の意見が割れていることを認めつつも、「痛みを伴う歴史の上に、無邪気にプライドを築くことはできない」と強調。そして、「来年のパレードにおけるレインボーフラッグの公式な使用については、コミュニティ全体の意見を広く集め、数ヶ月かけて慎重に議論します。その結果として、使用を禁止するという選択肢も排除しません」と明言した。
この声明は、さらなる波紋を広げている。一部の企業スポンサーからは、ブランドイメージへの影響を懸念する声も上がり始めており、問題は文化的な側面だけでなく、経済的な側面にも広がりを見せている。
レインボーカラーが失墜の危機にある中、代替となるシンボルの模索も始まっている。近年、トランスジェンダーや有色人種の表象を含める形でアップデートされた「プログレス・プライドフラッグ」への移行を加速させるべきだという意見や、この機に全く新しい、21世紀のコミュニティを象徴するシンボルを創造しようという動きも出始めている。
しかし、問題の核心は、単に旗を変えるかどうかにあるのではない。それは、コミュニティが自らの「歴史」とどう向き合うかという、より根源的な問いである。忘れたい過去、知らなかった過去が、現代のアイデンティティを揺るがしたとき、我々はどう行動すべきなのか。
700年の時を超えて甦った「虹の審問官」の記憶は、図らずもLGBTQ+コミュニティに深刻な自己言及を迫っている。この危機を乗り越え、コミュニティが新たな団結の形を見出すことができるのか、あるいは象徴をめぐる対立によって分断が深まるのか。世界中がその行方を固唾をのんで見守っている。虹の旗の下で祝祭を繰り広げてきた日々は、もう二度と戻らないのかもしれない。
昔
スペインで
レインボーフラッグは
同性愛差別の
象徴として使われてた
とわかったので
今後は使用禁止にします
【悲報】🏳🌈レインボーフラッグさん、同性愛者差別の象徴として使用禁止へ
キャンセルすること自体が目的化しててそれ自体で気持ちよくなってる
いわゆる配慮疲れのターンになってきてるんや
もう少数派は隅っこ暮らししとけや
欧州人がまともだった時代には欧州人も虹を七色として認識していたということか
レインボーを6色とするのってイタリアとイギリスが主らしいで
逆にフランスとか昔は4とかやったはず
ワイはヨーロッパで6が主流だった中で最初に7って言い出したのニュートンやって話聞いたことあるけどな
昔のスペインでレインボーフラッグが差別主義者の象徴として使われてた史実が発覚
これを多様性の象徴として使うのは無理だろうという声が広がり始める
LGBTQ+コミュニティは使用禁止の可能性も排除せず今後の扱いを検討している
ブリカス並みのゴリ押しやな
みたいな感じだしむしろこの異端審問官とやってること同じやん
十字旗がどうとか攻めてもしょうがないし
やりすぎやねんもう消え失せろや
【画像】中国人「Xiaomi 17?いらないアル!iPhone 17が欲しいアル!」 »
https://www.theolivepress.es/spain-news/tag/lgbt/
希望、多様性、そして愛の祭典。世界中のLGBTQ+コミュニティにとって、レインボーカラーは半世紀近くにわたり、抑圧からの解放とプライドの象徴であり続けてきた。しかし、その虹の旗が今、根底から揺らいでいる。スペイン・マドリードのコンプルテンセ大学の歴史研究チームが、13世紀のアラゴン王国において、レインボーカラーが「同性愛者迫害の象徴」として、異端審問官によって使用されていたことを示す古文書を発見したと発表。この衝撃的な事実は、コミュニティに深い動揺と混乱をもたらし、世界最大級のプライドパレードであるマドリード・プライドの主催者は、来年以降のレインボーフラッグ使用禁止の可能性も視野に入れていると明言する事態に発展している。
この歴史を揺るがす発見は、中世イベリア史の権威であるイサベル・フェルナンデス教授の研究室からもたらされた。教授のチームは、サラゴサの古文書館に眠っていた、これまでほとんど調査されてこなかったアラゴン王国時代の異端審問に関する記録をデジタル化し、分析するプロジェクトを進めていた。その過程で、ある特異な記述に突き当たったのである。
1288年の日付がある羊皮紙の記録には、異端審問所の規則に関する詳細な記述があった。その中に、研究者たちの目を釘付けにした一節が存在した。
「『ソドミーの罪』、すなわち自然に反する肉欲の罪を裁き、根絶する使命を帯びた審問官及びその補佐官は、その職務を遂行するにあたり、神の聖なる契約の証たる『七色の帯(Cinta de Siete Colores)』を左腕に装着せねばならない。この虹(Arco Iris)は、大洪水の後、神が二度と堕落した人類を水で滅ぼさぬとノアに誓った印である。我ら審問官は、この印を掲げることで、地上から罪を洗い流し、神の秩序を回復する神聖な代理人であることを示すものである」
フェルナンデス教授は、当初この記述を信じることができなかったという。「虹が、浄化と裁きの象徴として、しかも同性愛者を断罪する者たちのシンボルとして使われていたとは、まさに青天の霹靂でした。我々は当初、何かの比喩表現か、あるいは誤訳ではないかと疑いました」と、教授は当惑気味に語る。
しかし、調査を進めるにつれ、これが単なる記述ではないことが明らかになっていった。他の裁判記録や個人の日記、さらには当時の風刺画からも、同様の証拠が次々と見つかったのだ。ある裁判記録では、同性愛の罪で告発された男性が、「虹の男たち(los hombres del arco iris)に連行された」と証言していいる。
これらの証拠から、13世紀のアラゴン王国において、レインボーカラーが特定の異端審問官、すなわち「同性愛狩り」を専門とする部隊の識別章として、意図的に使用されていたことがほぼ確実となった。
現代において「多様性」の象徴とされる虹が、なぜ700年以上前には「迫害」の象徴となり得たのか。フェルナンデス教授は、その背景に当時の宗教的・社会的文脈があると指摘する。
13世紀のスペインは、レコンキスタ(キリスト教国によるイベリア半島の再征服運動)の真っ只中にあった。カトリック教会は、支配地域における権威を確立するため、異端や非キリスト教的な価値観に対する取り締まりを強化。アラゴン王国で設立された異端審問所は、カタリ派などのキリスト教異端だけでなく、ユダヤ教徒、イスラム教徒、そして同性愛者も厳しく断罪した。
